「人間失格」「走れメロス」「斜陽」など不朽の名作を出し続けた作家である。作品で読み取る事ができるのだが、波乱万丈な人生であった。無頼派という太平洋戦争後流行し、戦後の混乱より独自の倫理観を見出そうとしたのが特徴である。
私は太宰の生き方に興味を持った。私自身彼の作品に共感する部分が多くあるのだが、私と彼の相対的な部分が見られたのである。私は人間との関係が苦手ではありながら嫌いではないのだが、彼は得意でありながら嫌いなのである。「純真」より彼は{人が「純真」と銘打っているものの姿を見ると、たいてい演技だ。演技でなければ阿呆である。}と残した。
彼は真面目であったからこそ信用する先を見失ってしまい、生きていく術を身につけるには周囲に適応する他になかったのだと思われる。そのような物質的孤独ではなく、精神的孤独から生まれる葛藤が自殺という選択肢を選ばせたのだ。
jimblog
0コメント